リチャード・ギャリオット氏から寄せられた思い出

リチャード・ギャリオット氏から寄せられた思い出が更新されました。

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リチャード・ギャリオット氏から寄せられた思い出  2012年9月28日

エッセイコンテストやボニーが今週公開した思い出に加え、私たちはリチャード・ギャリオット(Richard Garriot)氏にも何か思い出を書いていただけないかとお願いしました。そして親切にも2つの思い出を寄せていただいたので、ここにご紹介いたします。

あるシーフ

UOが始まって間もないある日のこと、私は頼まれてゲームマスター(GM)としてGMたちを手伝っていました。ある女性からのヘルプリクエストが画面に表示され、そこには次のようなことが書かれていました。
「あたし、UOをプレイするのは今日が初めてなんだけど、街から出ようとすると、毎回必ずシーフに荷物を全部盗まれちゃうの。仕方なくやりなおすと、また同じことをされるのよ。こんなことが続くなら、あたしもうこのゲームやめるわ」
そこで私は彼女のところに行き、ロード・ブリティッシュ(Lord British)として姿を現しましたが、彼女は全く気にかけませんでした。私の正体を知らず、興味もないのです。とにかく問題を解決したがっていました。これは簡単な仕事になるだろうと思いましたね。
ついてくるようにと彼女に言い、街の外へエスコートしました。私たちが街から出たとたん、一人のシーフが画面を横切り、*サッ* 彼女の所持品をスリとって姿をくらましたのです! あまりの素早さに、何が起きたのかとっさに理解できなかったほどでした。彼女をその場に待たせ、このならず者の先回りをするべく、私はテレポートしました。GM用コマンドでシーフが動けないようにしてから、ロード・ブリティッシュのまま姿を現し、彼に言ったのです。あの気の毒な女性にはもう手を出すな、新規プレイヤーの参入の機会を損なうような真似を許すことはできない。止めなければゲームからバン(永久停止)するぞ、とね。彼は許しを乞い、彼女にはもう二度と手を出さないと誓いました。

この結果に満足し、私は盗まれたアイテムを彼女に返してやり、しばらくは安全になったことを伝えていると、またあのシーフが *サッ* やってきて彼女の持ち物を全て盗みとって消え去ったのです。
またしても私はこの男を追いかけ、こう言いました。さっき警告したではないか、今回はお前をバンするぞ。彼は懇願を繰り返し、どうしても誘惑に勝てなかったのだと釈明し、誓いの言葉を述べました。今度こそもう二度としません!
気は進みませんでしたが彼を信じることにし、盗まれた物を取り返して再び彼女のところに戻りました。

ところがなんと、これで三度目、あのシーフが現れ *ササッ* るや……私は彼の行動の自由を奪って言いました。もうバンするぞ! すると初めて彼は……キャラクターを演じるのをやめ、私にもキャラクターとしてではなく聞いてほしいと言ってきました。
「リチャード・ギャリオットさん、このゲームのルールはあなたたちが作ったものです。そのルールにはシーフという役割も含まれています。私はその役割通りに演じているだけなんです。もしシーフが国王から盗みをやめるように命じられたなら、慈悲を乞い、二度としないと誓ってみせるのが当たり前です。でも、私の役割はなんでしょう……シーフですよね!」

少しの間考えて……私は同意しました。そこでバンではなく、彼を飛ばしたのです、世界のずっと遠くへ。それから女性にアイテムを返し、今度こそ彼女は冒険に旅立ちました。
以来、我々自身がゲームに取り入れるルール、及びそこから生まれる不可避のプレイスタイルについて、私は一層注意深く考えるようになったのです。

ある漁師

ある日、私は小川のほとりを歩いていました。“見えない”姿になって、私たちが作った世界を眺めてぶらついていたのです。川べりで、いかにも漁師といった身なりの男が一人、何度も水面に針を投げ入れては釣った魚を土手に綺麗に並べていました。50%の確率で釣れるだけという、釣りのシミュレーションとしては低レベルなものなのに、とても楽しんでいる姿を見て、私は心を打たれたものです。

その数分後、プレートアーマーに身を包み、大きな武器を持った戦士が通りがかりました。この哀れな漁師を見た戦士は、気取ったように歩み寄り、こんなことを言いました。
「可哀想に。武器も鎧もないんだな。俺様は腕の立つ戦士で、ダンジョンでたんまり稼いできたところだ。こいつを分けてやろう、そんなことをしないで済むぜ」
そう言うと、男は漁師への贈り物として、貴重な品々を土手に並べ始めました。

すると漁師は答えました。
「戦士さんよ、そんな暴力の道具はしまってくんな! 俺ぁ漁師なんだ! 剣だの鎧だの要るもんかね。あんた、俺のことを可哀想だって言ったな。俺ぁ毎日美しい川べりに座って世界を見つめながら魚を釣ってるのさ。夕方には釣れたモンを街で売り、パブで数杯ひっかけながら友達と語り合うんだ。幸せな人生を送ってるんだよ、俺は! 荒くれ者はどっかに消えな!」
憤慨した戦士は立ち去って行きました。

私たちが創り出したものは、私の予想を遥かに超越した力を備えている。この日、そのことに気付かされました。

– リチャード

ギャリオット氏はロード・ブリティッシュの死についても触れましたが、その話は誰もが聞いたことがあるに違いないとのことです。私たちも聞いたことがありますし、それで例のアートワークの中に取り入れてもいます。このパズルピースを嵌めると完成するでしょう – 炎に包まれる王の姿が。

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