BNN – 魔法使いの一日が更新されました。(Wakoku, Hokuto, Mizuhoシャードローカル)
こんなイベントがあったなんて知らなかったっ!
*しくしく*
メンドクサイ方はこちらをどうぞ↓SSも公式のものを転載
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魔法使いの一日 2010年1月6日
「Kal Vas Xen Ylem!」
…
……
「う~ん、やっぱりうまくいかないわ~」
アザイリア(Azilea the witch)は修業中の魔法使い。素質はあるのだが一部の召喚魔法だけが苦手で未だに習得できないでいる。「Earthquake」や「Resurrection」はすぐに習得し、今ではほぼ完全に使いこなせているというのにだ。そこで、彼女はひとつの決心をした。
「やっぱり、こんなところで書物とにらめっこしてるだけじゃダメなのよ! 師匠はケチだからお手本を見せてくれないし……。こうなったら、街へ行って誰かにお手本を見せてもらうしかないわ!」
彼女は自分が召喚しようとしている生物を実際に見たことがなかった。そして、それが原因で魔法を成功させることができないのではないかと考えたのだ。彼女はすぐに街へ向かい、冒険者に手本を見せてくれるようお願いする。
「ふむふむ、なるほど~。なんとなく分かった気がするわ。ちょっとやってみるわね!」
冒険者に手本を見せてもらったアザイリアは、さっそく苦手な召喚魔法の詠唱を始める。
「Kal Vas Xen An Flam!」
…
……
「うぅ、ダメみたい……。きっとまだアタシの心が召喚する子のことを、ちゃんと理解してないんだわ」
アザイリアは悲しそうな表情を見せながら、冒険者にお願いした。
「……ねえ、あなた。いま見せてくれた子たちがどこに住んでるか知ってる? もし、知ってるならそこへ案内してほしいの」
対象がどんな場所に生息しているのか、魔法によって制御されていない状態ではどんな性格をしているのか、それらを確かめることで、自分がなにを召喚しようとしているか、きっと理解できるとアザイリアは考えた。
そして、アザイリアと冒険者一行はすぐに精霊たちの住むダンジョンへ向かった。
アザイリアの考えは見事に的中した。ダンジョンに住む精霊たちを目の当たりにした彼女は、自分がなにを召喚しようとしているのかハッキリと理解したのだ。そして、「Earth Elemental」、「Air Elemental」、「Water Elemental」、「Fire Elemental」と順調に習得していった。
そして、いよいよ最後の召喚魔法「Summon Daemon」を習得するべくデーモンテンプルへ向かい、これまた順調に習得したように見えたのだが、どうやらそううまくはいかなったようだ。というのも、力の制御がうまくいっていないのか、Impが召喚されたかと思えば、次はBalron Daemonが召喚されたりと、まともにDaemonを召喚することができない。そればかりか、アザイリアは召喚された悪魔たちをうまく制御できず、冒険者に迷惑をかけてしまう始末である。
「う~ん、さすがに一筋縄ではいかないわねぇ。でも、もうコツはつかんだし、あとは師匠の元で修業を続けてれば、きっとうまくやれるはずよ」
すべての召喚魔法を完全に習得するまでには至らなかったが、アザイリアは満足していた。そして、ここまで同行してくれた冒険者たちへの感謝の気持ちでいっぱいだった。
「みんなありがとう! お礼にアタシの得意の魔法を見せてあげるわ! 師匠にはあんまり人に見せるなっていわれてるんだけど……今日は特別な日だし、いいわよねっ。それじゃ、いくわよ~」
「Kal Vas Xen Pulker Eks-rap!」
アザイリアの発した力の言葉とともに、花火にも似た派手な爆発が起きた。そしてその爆発が収まると同時に、彼女は冒険者の前から姿を消した。
彼女は今日、一人前の魔法使いにまた一歩近づいた。明日からは、助けがなくともきっと元気に師匠とふたりで修業を続けていくだろう。
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