王室広報官のRiccioです。
今回はトクノのトミタロウさんからの依頼で、干からびた妖精さんを元に戻すのを手伝って欲しいとのことです。
なお、相当なエネルギーを消費するようなので、万全の体調で来て欲しいとのことです。
開催日時:2024年4月20日(土) 22時30分
集合場所:ブリテイン広場
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プロローグ
トミタロウはトクノの植物学者で樹木医でもある。
彼のお陰で、元気になった植物は数知れず、害虫の駆除などもお手のものである。
そんなトミタロウであるが、目下の課題は眼前の桜の木である。
どうみても普通の木に見えない。
だって、光り輝いてるのだもん。トミタロウもこのような木を見るのは初めてだった。
そして、奇妙な点がもう一つ。
桜の木の周りには動物やモンスターなどが倒れており、植物も枯れているように見える。
ちなみに、動物やモンスターなどは辛うじて息はある。
状況からすると、木にエネルギーを吸い取られたといったところだろうか?
なんとかしてエネルギーを戻してやれば回復する可能性は十分ある。
ただ、その術を探るべく木に触れるのは危険に違いない。
これは参った、何か良い方法はないだろうか?考えていると。
唐突に背後から女性の声が聞こえてきた。
「トゥミタロゥはそなたでぁるか?」
声の方向を見ると妖精が宙に浮い状態でトミタロウを見ている。
「妖精さん? えっと、どなた様ですか」
その姿は美しく、銀の瞳に淡いピンクのロングヘア。
トミタロウは思わず見とれてしまった。
「ワたしは桜の木に宿るェリーじャ」
妖精が名乗る。
「チェ、チェリーさま?エリー?」
「違う、ェリーである」
だが、トミタロウはうまく発音できなかった。
「すいません。うまく言えなくて、、、」
「もうチェリーで構わん」
ェリーの人語は、やや聞き取りにくいものであった。
ェリーは話の続きをし始める。
「それより今日ハ、トゥミタロゥに礼を言ィに来たのじャ」
「礼?ですか」
何か礼を言われることなんてやっただろうか?
トミタロウが記憶をたどると、冒険者のみんなと何度かヒスロスの桜の大木に行ったことを思いだした。
「冒険者のみなさんと桜の大木にお邪魔したときですか?」
トミタロウが尋ねると
「それハ違う者じャ」
妖精は否定した。
そう言われてしまうと、さっぱり分からない。本当にどちら様なのだろうか?
「本当ニ思ィ出せぬか」
妖精はやや不機嫌な表情になる。
この類いの存在は、怒らせるととんでもない厄災をもたらす者も少なくない。
言葉選びはついつい慎重になってしまう。
かといって嘘をついても見破られてしまうだろう。
意を決したトミタロウは
「チェリー様、申し訳ございませんが、記憶にございません」
正直に言ってみた。
「なんでァると!」
ェリーの表情は一瞬怒りのそれとなったが、直ぐに笑顔になった。
「すまヌ、妖精ジョークじャ。知らなくて当然でァる。お主が小さかッた頃の話しじャかラな」
ェリーによると、トミタロウは子供の頃に、食虫植物に捉えられていたェリーを助けたらしかった。
「あのとキは本当に危なかッたのだゾ。礼を言おゥと思ったが、おスシはさっさと里へ戻ッたからの」
「そう言われてみれば、、、」
トミタロウは当時飼育していた昆虫が弱っていたため、回復に役立ちそうなものを探しに森へ入った。
その時、偶然ェリーを発見したのだ。
ェリーも用事があったため、その場をあとにし、かなりの年月が経過したが今回やっとの思いでトミタロウを探しだしたのだ。
「おヌシ、何か悩んでォるよゥだが?そこに倒れてォル動物が原因かノ?」
「その通りです!何か原因についてご存知ではないですか?」
「モちろん知ッてォるぞ、この木はな」
自信に満ちた表情で言って、ェリーが手を木に触れた瞬間
「あッ、しま、、、」
雷系の光が発生すると同時に、ェリーは干からびて小さくなると同時に、地面に落ちてしまった。
「チェリー様!! 大丈夫、、、じゃないな」
どうやら彼女は、この木について何かを知っているようだ。
まずは干からびた ェリーを元に戻すべく、トミタロウは冒険者に助けを求めるため、広報官室へ向かうのであった。
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