北斗EMイベント:隣りの座敷童さんは2025年2月24日(月祝)22:00~

隣りの座敷童さん

王室広報官のRiccioです。

今回はトクノの座敷童、ワラちゃんからの依頼です。

内容は救出になります。

お友達の花子さんが数日前、でっかいオッサンに連れ去られ、行方不明になったそうです。

調べた結果、洞窟のメデューサの元門番が犯人である可能性があるそうです。

詳細については、当日集合してからお伝えします。

開催日時:2025年2月24日(月)22:00~
集合場所:Britain広場

注意事項:
予期せぬ出来事が発生するかも知れません!貴重品はなるべく持ち込まないよう、お願いします。
以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
– イベント進行の妨害、かく乱行為。
– EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
皆さんのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう!

プロローグ

ここは魔物が巣くうダンジョンの奥深くにある、洞窟のメデューサと呼ばれる怪異の部屋。

人形を頭に乗せたブラッドワームのナーマちゃん(オリジナル型)が立っていた。

「なま~、メデューサさん、この前のお礼です」

メデューサが視線を頭上に向ける。

「まぁ素敵なお人形ね」

「トクノのお店で買ったの!」

ナーマちゃんは尻尾を器用に使い人形を渡した。

先月、ナーマちゃんの師匠が行方不明になった件で交流を持ってから、

ヘアメイクのレクチャーをメデューサに受けるようになっていた。

メデューサはこう見えてもオシャレさんなのである。

その結果、ヒト型のナーマちゃんは見目麗しいお姫様のようになった。

アロマオイルのおかげで芳醇な香りを漂わせるブラッドワームになっている。

モンスターでもオシャレを!これがメデューサの考えである。

「???は順調かしら?」

「師匠はお陰様で回復しました。ありがとうございました」

ナーマちゃんは口元を緩ませ、メデューサに微笑みを向けた。

それはまるで、獲物を前に喜びの咆哮を放つモンスターのようにも見えるが気にしてはいけない。

それを不気味に感じたメデューサは声をかける。

「ナーマちゃん、もうヒト型になっても大丈夫よ」

「あ、そうですね。それではお言葉に甘えて・・・」

ナーマちゃんは、魔法を唱えヒト型になった。

その後、ヘアメイクの上級編を教わり、気づけば夜のとばりがおりる時間帯。

メデューサの提案で、ナーマちゃんは夕食を一緒にとることにした。

食事中はナーマちゃんの近況の話になった。

ヒトの姿を保てる時間はさらに延び、今ではついに一日を通して維持できるようになったという。

それに伴い、彼女が街へ赴く頻度も増している。

街の男たちが見目麗しいナーマちゃんに視線を向けるのは自然の摂理である。

いずこかの貴族の息女か、それとも王家の隠し子か?

街の酒場では、彼女をめぐる噂がまことしやかに囁かれるまでになっていた。

最後は女子会の定番、恋バナで盛り上がったが、気づけばそろそろ帰宅時間。

「えっ、もうそんな時間!? やばっ、帰らなきゃ!」

慌てて立ち上がるナーマちゃん、メデューサがクスクスと笑う。

「もう少しゆっくりしていけば?」

「ダメダメ! あまり遅いと仲間が心配するから!」

ナーマちゃんが部屋を出る間際、ふと思い出したようにメデューサに尋ねた。

「そういえば、特徴のある髪型の門番さんは?」

メデューサは気だるげにため息をつき、答える。

「彼は解雇したわ。グリゼルダを怒らせちゃったのよ」

ナーマちゃんが目を瞬かせる。

「えっ、グリゼルダさんを?」

「先日、認知力の悩みで訪れた彼女をね、門番が『後期高齢界隈の者は帰れ』と言ってしまったのよ」

元々、門番とグリゼルダは馬が合わないようだ。

メデューサは肩をすくめながら苦笑し、ナーマちゃんは思わず顔を引きつらせた。

「そ、それは……」

「当然、彼女は激怒。気づいた時にはもう手遅れで、門番は異形の姿になっていたわ」

遠い目をするメデューサ。

ナーマちゃんは、そっと門のほうを見やり、こころの中でつぶやいた。

(……無茶しやがって)

ただ、そのおかげで髪型を気にする必要がなくなったことは唯一の救いだ。

「そんなことがあったんだね。まあ、あの門番さん、いつも上から目線だったし……」

ナーマちゃんが肩をすくめると、メデューサは少し申し訳なさそうに微笑んだ。

「でも、今の門番さんもなかなかクセが強いよね……」

「あら、そう?」

メデューサが首をかしげると、ナーマちゃんは疲れた顔で続ける。

「だって、いきなりサイコロを出してきて……『見目麗しい、ブラッドワームのお嬢さん。先に進みたければサイコロを振ってください』と言われ、ルードをさせられたの……」

ナーマちゃんがため息をつくと、メデューサは再び肩をすくめ申し訳なさそうに言った。

「あぁ、ごめんなさいね。門番を時給3000ゴールドで募集したのだけど、場所が悪いせいか応募がなくて……」

やっと応募してきたのが、元暗殺者のピエロだった。

今は更生したらしいが、昔はルードで相手が負けるとナイフで傷をつけるという、なかなか物騒な人物だったらしい。

その名残なのか、手にはいつもナイフを持っている。本人曰く体の一部らしい。

ちなみに、ブリテインの傭兵の時給は1500ゴールドなので、メデューサのところは破格といえる。

「そうだったんだね。でも、もうちょっと相手の気持ちも考えるように伝えてください」

「うん、ありがとうナーマちゃん。それじゃ気をつけて帰るのよ!」

「なま~」

オリジナル型に戻ったナーマちゃんは器用に尻尾を振って帰路についた。

ナーマちゃんを見送ったメデューサは、もらった人形を棚に飾ると、就寝前のボディーケアを始めた。

(あのルード好き、直る気がしないわねぇ……)

門番としての実力は申し分ないけれど、何を考えているのかさっぱり分からない。

しかも、機嫌が悪くなるとすぐにナイフをチラつかせてくる。

(はぁ……)

深いため息をつきながら、美容オイルを手に取った、そのとき

ふわっ……。

目の前に、小さな光の玉が浮かび上がった。

(え? 何、コレ……錯覚?)

光の玉はふんわりと宙を舞い、メデューサの周りをゆっくりと飛び回る。
そして、何の前触れもなく

パッ!

突如として消えた。

(なになに!?)

思わず悲鳴を上げそうになったが、ぎりぎりのところで踏みとどまる。
だが、心臓はバクバクだ。

実はメデューサ、超常現象が大の苦手だった。

(き、きっと錯覚ね! うん、私は疲れているのよ! 今日は早めに寝ましょう!)

そう自分に言い聞かせると、メデューサは足早に戸締まりを済ませ、ベッドに潜り込んだ。

メデューサの部屋はダンジョンの最奥にあるため、一見すると物騒に思える。
しかし、門番もいて、結界も張られているため、意外と治安は良い。

そして、次の日の夜。
メデューサがベッドの上で就寝前のストレッチをしていると……。

――ガタガタガタ、スゥ~~~。

突然、鏡台前の椅子が振動しはじめ、勝手に動いた。

「えっ!!? ちょっ……なにーーーっ!!?」

メデューサは思わず叫び、身をすくませる。

その悲鳴を聞きつけ、門番のピエロが勢いよく部屋の扉を開け入ってきた。

そして開口一番。

「どうしました? メデューサ様! 気を確かに!そうだ、サイコロを振ってください!」

「サイコロ?そ、そうね……。でもね、椅子が勝手に動いたのよ!!?」

「メデューサ様! まずは深呼吸をして、サイコロを振ってください!」

ピエロの手にはいつの間にかサイコロが出現していた。

「メデューサ様! 深呼吸です。落ち着いたらルードをしましょう」

「あなた、本当にブレないわね……」

思わず呆れたメデューサだったが、確かに落ち着いていた。

あまりにも突拍子のないピエロの言葉に、思考が混乱しすぎて、逆に冷静になったのかもしれない。

超常現象は次の日も……。

誰もいないのに視線を感じたり、女の子の声がしたり……。

「もう限界だわ……」

思わずつぶやくメデューサ。

深夜帯だが、気になって眠りにつくことができない。

(たんなる超常現象ではないわね…。???に見てもらおうかしら)

メデューサは落ち着かぬ気持ちを抱えながら、水晶を手に取った。

意を決したメデューサは水晶を通じて???に連絡を試みる。

数秒後。

「……こんな時間に何よ」

水晶の向こうから、明らかに不機嫌な声が届く。

だが、事情を説明すると、渋々ながらも遠隔で霊視をしてくれた。

「……これは、トクノの座敷童ね」

「座敷童?」

思わぬ答えに、メデューサは目を瞬かせる。

さらに、???が霊視を続け、座敷童に話しかけてみると、

「あ、通じたわ。話せるみたい」

「……あんた、すごいわね」

メデューサは思わずつぶやいた。

やはり???の術は相当なものだ。

「ずっとメデューサの隣にいたのに、気づいてくれないから苦労したそうよ。魔法であなたとも直接話せるようにするわね」

そう言って???は水晶に向かって呪文を唱え始めた。その刹那。

目の前に、ぼんやりとした光が形を成し、やがて小さな女の子のような姿になった。

「私は座敷童のワラです」

???の魔法によって視覚化されたことで、メデューサも普通に会話ができるようになった。

「ワラちゃんね。私は洞窟のメデューサよ。それで、一体どうしたの?」

ワラちゃんの説明によると、ナーマちゃんがプレゼントした人形を依り代にして、ここにやって来たそうだ。

メデューサが問いかけると、ワラちゃんは心配そうな顔で訴えた。

「お友達の雪隠(せっちん)の花子ちゃんが、変なオッサンに捕まっちゃったの!」

「……変なオッサン?」

「はい! すごくでっかいオッサンです!」

特徴的な髪型とメガネをかけていたとのこと。

そこまで言うと、ワラちゃんは少しムスッとした顔で付け加えた。

「ワラを最弱な存在とバカにした上に、メデューサさんの悪口も、言ってました!」

「……え? 私の?」

突然の展開に、メデューサは思わず眉をひそめる。

超常現象に巻き込まれるのも厄介だが、知らぬ間に悪口を言われているのも気に食わない。

私の悪口をいう大きなオッサン……、メガネ……。

「アイツか!」

メデューサの脳裏に浮かんだのは解雇した前任の門番であった。

グリゼルダによって異形に変えられたはずだが、どうやら元の姿に戻れたようだ。

解雇を言い渡した時、とっても恨みったらしい表情で文句を言っていた。

「ワラちゃん、心当たりがあるわ。あとは私に任せておきなさい」

「メデューサさん、宜しくお願いします!」

メデューサは作戦を考えるとワラちゃんに伝えた。

後日、???のおかげで自由に動けるようになったワラちゃんはブリテインの広報室へ向かうのであった。

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